東京マラソン2018を走ったギリシャ人たち:アリガトウ、トウキョウ!-独占インタビュー

GreeceJapan.comは2018年2月25日(日)の東京マラソンを取材。今年出走したレオニダス・アサナソプロス、バシリス・ブラホヤニス、ディミトリス・フロニスの3人のギリシャ人ランナーにインタビュー、東京マラソンの印象を伺いました。

レオニダス・アサナソプロス

今年の東京マラソンへの参加は、私が期待した以上の忘れがたい想い出とともに幕を閉じました。色鮮やかな映像として、また精神的な側面からも、これからの人生のあらゆる機会に思い出されるであろう瞬間を得るという目的を持っての参加であるとともに、私の家族にも今回の経験から素晴らしい想い出を得てほしいとの思いがありました。こうした私の目的は、レース中の気候、優れた大会運営をはじめ有能なボランティアらに大いに助けられ、最も素晴らしい形で果たすことができました。

東京マラソンのコースは、家族が私の走る様子を様々な地点で間近から見ることが出来るだけでなく、大会2位でフィニッシュし、日本新記録を樹立した地元日本のランナー(注:設楽悠太選手)をはじめとするトップアスリートたちの力走を目にするまたとない機会を得ることができるものでした。

技術的な点について述べるとすれば、大会運営はコントロールの必要のあるランナーたちに関する点では申し分のないものでした。これまで私は既にボストン、シカゴの各マラソンを経験していますが、今回の大会運営は私がいつか完走したいと願っているアボットワールドマラソンメジャーズの一角を占める6大会のひとつとして相応しいものと言えるでしょう。当日のコースと気象条件は高速走行に最適であるとともに、沿道を埋め尽くす観客たちはスタート地点からフィニッシュ地点まで我々ランナーを応援してくれました。

個人的には、ワールドマラソンメジャーズの各大会を3時間を切るタイムで完走するという私の目標を今回も果たすことができ満足です。走り出した時は、連なるランナーたちについて行けばきっと自分の思うタイムでリラックスしながらフィニッシュ出来るだろうと信じていましたが、自分の仕事を始めとする日々の様々な出来事と、ギリシャから日本への旅から来る疲労は事態をより複雑にし、私のもくろみを危うくさせました。結局、2時間55分16秒の記録でフィニッシュすることが出来ました。これが今の自分の持てる限りの力を出し切った結果であり、次に続く私の目的達成への確かな一歩であることは間違いありません。

しかし、それでも私が言いたいのは、問題はタイムではなく、得がたい経験と感覚…これこそが大事なのです!

マラソンの後、私たち家族はこの素晴らしい国日本とその文化を知る10日間の旅に出かけます。もしかしたらマラソンは単なるきっかけだったのかも知れませんね!来る2020年の東京五輪には是非訪れたいと熱望していますし、もしそれが叶えばこんなに嬉しいことはありません。日本の皆さん、温かいおもてなし、本当にありがとうございます!

 

バシリス・ブラホヤニス

どんなマラソン大会にも、それぞれ独特のスタイル、独特の雰囲気、一連の課題とでも言うべきものがあります。東京マラソンで最も困難なことは何かと言えば、何よりもまず参加すること。何しろ毎年3万5千人あまりのランナーたちの出場枠を求めて32万人以上の参加申込がある訳ですから。

3年前にワールドマラソンメジャーズの全6大会を制覇すると決めて以来、世界のマラソン大会を走って来た私は、2017年10月に5つ目のシカゴマラソンのフィニッシュ地点を通過したその瞬間から、東京マラソンを走る日を夢に見続けて来ました。こうして迎えた2月25日(日)、ワールドマラソンメジャーズ前6大会を制覇するという長年の夢がついに現実のものとなったのです。

私がこれまで多くのランナーが参加するニューヨークやパリといった大都市を走るマラソン大会を走って来た経験を鑑みても、東京マラソンでの経験は素晴らしいの一言に尽きます。日本人のマラソンというスポーツに対する限りない愛情、そしてポジティブな雰囲気とプロフェッショナリズムは確実に大会運営に反映されており、ひょっとすると世界のマラソン大会の中でも群を抜いているのではないでしょうか。

そして印象的なのがボランティアの方々の雰囲気です。これは単に日本の習慣や文化だけに由来するものでないことは確かです。またそれぞれの役割に応じたユニフォームを着用した大会運営、スポーツドリンクや水をはじめ、果物やエネルギーゼリー、そして冷却スプレーまでもが準備されたランナーズステーション、音楽でランナーを応援するバンド、どこを走っても見どころが多いコース、そしてランナーたちが自分自身の限界を超え、気持ちを高く持ち続けるための声援を惜しまない観客たちと、会場のあらゆるものが我々ランナーたちの挑戦を大いに助けたことは間違いありません。

マラソン大会としての印象を簡潔に述べるならば、最も印象的だったのは有名トップランナーたちの参加と、2016年から変更された新たなコースは、走る者たちにいつフィニッシュしたかを気づかせないほど、レースを高速化することに貢献しているように思われます。

マラソンは、走る者に尊敬の念をもって向き合うことを要求する困難なレースです。東京で私は、このマラソンという競技に自然と頭を下げなければ、と思いながらフィニッシュしたのです。

 

ディミトリス・フロニス

東京マラソンについては、よい印象しかありません。綿密な計画、開始から終了まで一貫した素晴らしい運営によって支えられたマラソンと言えるでしょう。またボランティア等の適切な配置と正確な情報、そしてその振る舞いが運営に大きく貢献したことは間違いありません。またマラソンエキスポでは、会場に多くの人が訪れる中、ボランティアスタッフたちの適切な案内がランナーの登録作業を迅速に進め、会場の円滑な運営に大きく寄与していました。

スタートエリアでは、各ランナーを定められた入場ゲートに正確に誘導する数々のサインが設けられており、これによりスムーズなIDチェックが行われることで、警察官をはじめとする警備要員の露出を最小限に抑え、ランナーたちに安心感を与えていたように思います。

またIDチェックの後の手荷物預かり所と指定スタートブロックへの誘導もスムーズに行われましたが、それだけでなくトイレの利用に関しても完璧で、素晴らしい運営であったと思います。これはもちろんマラソン終盤でも同様で、フィニッシュ後、フィニッシュエリアから鉄道駅までの誘導についても大きな助けとなりました。

コースは素晴らしいもので、路面も良質のアスファルト舗装で平坦でした。幅の広い大通りを走ることで、より多くのランナーの出走を容易にしていたと思います。またランナーに給水・給食を提供する給水所も15か所と数多く設けられていたほか、ランナーの完走を支援する救護所なども設けられていました。コース上では音楽を奏でる数多くの楽団が我々を勇気づけてくれましたし、コース上で切れることなくランナーを見守る観客の熱い声援は、まるで日本人がマラソンに抱く熱い想いを証明するかのように、我々を力強く後押ししてくれました。

どんなマラソンも簡単なものではありません。私の意見では、こういったあらゆることが素晴らしいタイムを生むことに繋がっていると思います。

もう一つ印象深かったことを挙げるとすれば、コースがクリーンに保たれていたことでしょう。コースの各所にゴミ箱が設けられ、ほとんどのランナーがきちんとゴミをそこへ捨てていくことで、ペットボトルのようなプラスチックごみが見られなかったのです。また、当日は天候も素晴らしく、程よい曇天で湿度も低く、気温も7度から9度で、これがランナーを大いに助けたことは間違いありません。

欲を言えば、フィニッシュエリアでこの素晴らしいマラソン大会への想いをより深めるような、何か特別なイベントが開催されていればなお良かったと思いますね。日本の皆さん、本当にありがとうございました!

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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