東京マラソン2018・独占インタビュー:ディミトリス・フロニス

GreeceJapan.com 総力特集:東京マラソン2018

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これまでに日本に来られたことはおありですか?また、今回東京マラソンに参加された理由をお聞かせください。

日本を訪問するのはこれが初めてです。

東京マラソンに参加することを決めたのは、私が知る限り数あるマラソン大会の中でも素晴らしい運営とコースを誇り、また数多くの有名マラソン選手が参加するとともに、世界中から数えきれないランナーたちが集うもっとも優れたマラソン大会の一つであるということがその理由です。

それに加え、日本ではマラソンが国民的スポーツとして捉えられていること、またこの大会が、私がいつか走り切りたいと願ってやまない世界で最も有名で大規模な6つのマラソン大会(*東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティマラソン)であるアボット・ワールドマラソンメジャーズの一つであるからです。

これまでどんなマラソン大会を走られて来られたのでしょうか。

多くのアスリートと同じように、私にとって最も印象深いのは初のマラソン参加となった2002年(平成14年)のアテネマラソンです。しかし競技として、私のアスリート人生において記念碑的な意味を持つのは2017年(平成29年)に参加したギリシャで行われるウルトラマラソンのスパルタスロンでしょう。

このスパルタスロンは、アテネをスタート地点に246kmの道程をフィニッシュ地点であるスパルタのレオニダス大王像まで走り抜ける、世界で最も過酷なウルトラマラソンの一つです。

私はこの挑戦で、34時間51分のタイムでギリシャ人アスリートとしてスパルタスロンの大会史上最高齢で制限時間内に完走したランナーとして名を刻むことができました。これこそが、私の精神的・身体的な耐久力の限界を決定づけ、また人の世の愛と抱擁を感じつつ大きな成長を遂げることが出来た「旅」の一つなのです。

アテネマラソンを走ったご経験がおありということですが、一人のマラソンランナーがこの歴史的・伝統的なレースを走る時、どんな思いに駆られるのでしょうか。

これまでにアテネマラソンには5回出場しています。

この伝統のアテネマラソンに出場する者は畏怖、感動、驚嘆の念に駆られ、また誇りに感じることでしょう。

ランナーたちは、伝説を歴史と結びつけ、人間の意思と精神の力を引き出す歴史的な道程を-古代ギリシャの哲学者であるポントスのヘラクレイデスが「セルシッポス」と呼び、また歴史書の中では「エフクリス」とも呼ばれたある伝令が、紀元前490年のマラトンの戦いでペルシャ人と戦いこれを討ち取ったギリシャ軍の勝利を伝えるため、マラトンの地からアテネに向け走り続けた故事に基づく-はるかな道程をたどっていることを知るのです。

ここで走る者は、倫理的な理念、祖国や自由といったより高位の理想に対する献身が、一人の人間を規模や道程の状況、気象条件、人としての基礎的な欲求、装備といった越えがたい状況を克服させつつ、まさに超人と呼べるまでに変えてしまうひとつの大会における一人の謙虚な参加者に、体現者になったと感じるのです。

2020年の東京オリンピックの開催時には日本に訪問されますか。

2020年に行われる東京オリンピックには是非とも訪問することが叶えばと熱望しているところです。訪問するだけでなく、日本の方々を、日本という国を、そしてその文化を深く理解する機会を得たいと思っています。もちろんこれは、私の意思だけではどうにもならないことではありますが…。

走られていない時には、何をして過ごされていますか。

今は自由時間のほとんどを、自分がかつて教育者でもあったということもありますが、小さな孫娘と遊びやお散歩、勉強をしながら過ごしています。

ありがとうございました。東京マラソンがあなたにとって記念すべき大会となるよう願っています。

 

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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