©Sparta Photography Club
ギリシャの首都アテネからスパルタまで、実に246kmもの距離を通じて競われる究極のウルトラマラソン、それがスパルタスロン(SPARTATHLON)だ。100km以上のレースを10時間30分以内で完走したことがある等、参加には数々の条件が課されるほか、246kmのコースに設けられた各チェックポイントでの制限時間をクリアしつつ36時間以内にゴールしなければならないという、まさに選ばれし者だけが参加を許されるレースなのだ。
2015年9月25日(金)から翌26日(土)にかけて開催された今年の第33回スパルタスロン(33TH SPARTATHLON 2015)には世界50の国と地域から総勢387名のランナーたちが参加。外国からの参加者中最も参加者が多かった国は昨年に引き続きまたも日本で、ギリシャ国内の参加者62名に次ぐ58名という驚くべき数を記録している。
アテネ・アクロポリスを出発した387名の超人のうち、スパルタ市の古代スパルタ王レオニダスの銅像前でゴールテープを切ることが出来たのはわずか174名という過酷なレースであったにも関わらず、日本からの参加者のうち男性23名・女性5名の総勢28名が今年完走を果たした。
優勝は23時間17分32でゴールしたドイツのFlorian Reus(31歳・男性)。女性トップでゴールしたのは4位でフィニッシュしたアメリカのKatalin Nagy(36歳・女性)で、女性歴代1位の記録を塗り替える25時間7分13で栄光を手にした。
日本から参加したランナーたちのうち、最高位は26時間58分25の記録を叩き出し第10位でゴールした50歳の竹田賢治(Kenji Takeda)。ギリシャ人の最高位は27時間40分24の第13位でゴールした46歳のニコス・ペトロプロス(Nikos Petropoulos)が獲得している。
日本人最高位の10位でゴールした竹田賢治。©Sparta Photography Club
34時間39秒24の記録で完走し日本人女性トップの第106位でゴールしたのは42歳の青谷瑞紀(Mizuki Aotani)。また全参加者のうち最高齢でゴールしたのはこれも日本の古山孝子(Takako Furuyama)。62歳にして世界各地のレースを転戦する古山氏は、今回35時間54秒23でゴール、完走を果たした。
また、35時間58分38の記録で今回最後の完走者となったのは日本の中村龍男(Tatsuo Nakamura)。終了時刻わずか1分半を残す極限の状況下でつかんだゴールに感極まった中村氏は、レオニダス王の銅像の足元に口づけ喜びを表現した。
今年最も会場を沸かせたランナーは日本の池田仁(Jin Ikeda)。35時間14分10の第138位でゴールした今年33歳の池田氏は、ゴールを待ちわびた彼女を前にスパルタスロン史上初めてプロポーズ。会場に集まる人々から温かな祝福を受けた。
・写真/Spartathlon – Sparta Photography Club
(スタートからゴールまで、日本人参加者たちをはじめとして数多くのアスリート、運営側の写真が掲載されており必見。)