2018年9月28日(金)・29日(土)ギリシャ・アテネ-スパルタ間で行われた世界で最も過酷なウルトラマラソンの一つ、第36回スパルタスロンで日本の石川佳彦が22時間55分13秒のタイムでトップでフィニッシュ、優勝した。
優勝後、石川はGreeceJapan.comの取材に対し「前回4位に終わったスパルタスロン。優勝するしかリベンジを果たせないという気持ちで挑みました。1年かけて力をつけて自信はありましたが、レース当日は日本のレースならば中止になってもおかしくない天候でした。その中で中盤以降、リードを奪い逃げきるレースが出来た事は大変喜ばしい事です。」と優勝後の喜びをコメント。
また、来年再びスパルタスロンへ挑戦するかとの問いに対しては現時点では未定とした上で「ただ、過去に日本人で優勝した選手はいますが、連覇した選手はいません。ゆっくり休んで二連覇を目指すかじっくり考えたいと思います。」と答え、来年以降の挑戦の可能性を示した。
昨年2017年大会に出場した石川は23時間20分56秒で第4位。表彰台の高みを目指し再び挑んだ今年の大会で見事栄冠を勝ち取った。なお、2位はチェコのBrunner Radek(23:37:25)が、3位はポルトガルのOliveira Joao(24:34:30)が獲得している。
毎年多くの参加者を誇る日本からのエントリーは今年男性49名・女性9名の計58名。うち男性30名・女性4名が36時間の制限時間内にフィニッシュを果たした。
スパルタスロンの歴史上、日本人の優勝者は2000年の大滝雅之、2002年・2009年の関家良一に続いて石川が3人目かつ4度目。開催国のギリシャからは、今だ破られない大会史上前人未到・4度の優勝の記録を打ち立てたヤニス・クロス、1997年・1998年と2連覇を果たしたコスタス・レッポスの2人が優勝している。
なお、大会史上最高齢の完走者は昨年2017年に出場し34時間51分20秒でフィニッシュした1951年生まれ・66歳(当時)の開催国ギリシャのディミトリス・フロニス。フロニスは2018年東京マラソンにも参加、3時間32分01で完走している。
photos © SPARTATHLON – Sparta Photography Club
[ スパルタスロンの歴史 ]
世界で最も過酷なウルトラマラソンとして、マラソンランナーの憧れであるスパルタスロンは、紀元前490年頃、第1次ペルシャ戦争の際ペルシャに対する援軍をスパルタに求めるためギリシャ軍の伝令としてアテネからスパルタまでを駆け抜けたフィディッピディスの足跡を今にたどるという、数あるマラソン大会の中でも史実に基づく長い歴史と価値をもつ大会。
参加のためには100km以上のレースを10時間30分以内で完走したことがある等、所定の条件を充たさなければエントリーすることができない。エントリーを果たした現代のフィディッピディス達は、アテネ-スパルタ間の246kmを制限時間の36時間以内に完走することを目指し夜を徹して走り続ける。
[ スパルタスロン2018:日本の石川佳彦のフィニッシュの瞬間(Video)]
1983-2018までのスパルタスロン優勝者
1983 – ヤニス・クロス 19:53:42, ギリシャ
1984 – ヤニス・クロス 20:25:00, ギリシャ
1985 – Macke Patrick 23:18:00, イギリス
1986 – ヤニス・クロス 21:57:00, ギリシャ
1987 – Larsson Rune 24:41:46, スウェーデン
1988 – Larsson Rune 24:42:05, スウェーデン
1989 – Macke Patrick 24:32:05, イギリス
1990 – ヤニス・クロス 20:29:04, ギリシャ
1991 – Bogar Janos 24:15:31, ハンガリー
1992 – Kantief Rousko 24:08:13, ブルガリア
1993 – Larsson Rune 26:57:12, スウェーデン
1994 – Zarei James 26:15:00, イギリス
1995 – Zarei James 25:59:42, イギリス
1996 – Vuillemenot Roland 26:21:00, フランス
1997 – コスタス・レッポス 23:37:00, ギリシャ
1998 – コスタス・レッポス 25:11:41, ギリシャ
1999 – Lucas Jens 25:38:03, ドイツ
2000 – 大滝雅之 24:01:10, 日本
2001 – Nunes Valmir 23:18:05, ブラジル
2002 – 関家良一 23:47:54, 日本
2003 – Thalmann Markus 23:28:24, オーストリア
2004 – Lucas Jens 25:49:56, ドイツ
2005 – Lucas Jens 24:20:39, ドイツ
2006 – Jurek Scott 22:52:18, アメリカ
2007 – Jurek Scott 23:12:14, アメリカ
2008 – Jurek Scott 22:20:01, アメリカ
2009 – 関家良一 23:48:24, 日本
2010 – Cudin Ivan 23:03:00, イタリア
2011 – Cudin Ivan 22:55:45, イタリア
2012 – Thoms Stu 26:27:23, ドイツ
2013 – Oliveira Joao 23:28:31, ポルトガル
2014 – Cudin Ivan 22:27:57, イタリア
2015 – Reus Florian 23:16:44, ドイツ
2016 – Radzikowski Andrzej 23:01:13, ポーランド
2017 – Sorokin Aleksandr 22:04:04 – リトアニア
2018 – 石川佳彦 22:55:13 – 日本
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