劇団誠<せい>×ギリシア演劇研究会が演じるエウリピデスの『バッカイ』公演レポート(photos)

公演終了後、雄大な自然を前に満面の笑みで応える出演者と作曲家

劇団誠 <せい>×ギリシア演劇研究会による古代ギリシア悲劇の巨人エウリピデス作『バッカイ』が2024年2024年10月13日(日)から14日(月祝)の2日間福岡県うきは市の道の駅うきはに隣接する野外円形劇場で開催された。

今回の公演は、劇上で家来・奴隷役を演じた井口誠二氏率いる劇団誠<せい>と、脚色・演出担当かつ劇上ではゼウスの子ディオニュソスの母セメレーを演じた安藤美由紀氏率いるギリシア演劇研究会の合同企画第二弾として上演されたもの。

開演に先立ち、安藤氏による「これが分かればあなたもバッカイ!『バッカイ』をより楽しむために」と題したミニ講座が行われ、上演される『バッカイ』の解説が行われ、続いて本作の作曲・演奏を担当した劇団誠<せい>の森洋一氏による「序曲」の演奏が行われ、会場に駆け付けた観客らを幽玄の舞台へと誘った。

西見台と称される高台の裾野に位置し、観客席から筑後平野を一望できる野外円形劇場で行われた今回の上演では、時とともに沈みゆく夕日の色が、抗う術もなく悲劇へと導かれる登場人物たちの非業の運命を描くかのように移り行き、観客は歴史ある劇場を舞台に、美しい自然の中で力の限りを尽くし古代劇を演じた俳優らに惜しみない拍手をおくった。

ミニ講座で解説するギリシア演劇研究会の安藤美由紀。劇上ではディオニュソスの母セメレーを演じた
ディオニュソスを演じた中島浩志(ピロシキマン)
預言者テイレシアス(石橋半零)・バッカイの信女らを糾弾するテーバイ王ペンテウス(中山大介)
ディオニュソスを捕らえたテーバイ王ペンテウスとディオニュソス、バッカイの信女ら
コロスを演じた西田康子(劇団三途の川一座)、狸海(ばーびー/FOURTEEN PLUS 14+)、横田さゆり
ディオニュソスにそそのかされ、女たちの様子を見にいくため信女の衣装をまとったペンテウス
狂気のままに狩り取った息子・ペンテウスの首を掲げる母・アガウエー(藤裕美)とバッカイの信女
狂気から覚め、血まみれのまま自ら殺めた息子の死を顧み悲嘆にくれるアガウエーとその父・カドモス(響金太郎)

photos: Junko Nagata ©GreeceJapan.com

GreeceJapan.com:エウリピデスのギリシア悲劇『バッカイ』うきは野外円形劇場で10月に上演

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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