すべてはフクオカのために:ライジングゼファーフクオカ新GM・ギリシャのコンスタンティノス・コーチス氏独占インタビュー

今年7月4日、日本のバスケットボール界にあるニュースがもたらされた。「Bリーグ初の外国籍専任ゼネラルマネージャーとして、ギリシャ出身のコンスタンティノス・コーチス(Kostantinos Kotsis/Kωνσταντίνος Κώτσης)氏がライジングゼファーフクオカと2025-26シーズンの契約を締結する」とー。

このニュースの当事者、コンスタンティノス・コーチス氏は1967年ギリシャ生まれ。PAOK、AEKといったギリシャのプロフェッショナルバスケットボールリーグのビッグクラブのゼネラルマネージャーとして活躍、またギリシャバスケットボールリーグの理事も務めた経験豊かな人材だ。

今回GreeceJapan.comは10月11日・12日の2日間に渡って福岡・照葉積水ハウスアリーナで行われたホームゲーム初戦の福島ファイヤーボンズ戦を取材。今回で来日3回目、Bリーグ初の外国籍専任ゼネラルマネージャーであり、また初のギリシャ人ゼネラルマネージャーでもあるコーチス氏に、母国語であるギリシャ語でその熱い思いを語っていただいた。

Interview: Junko Nagata/GreeceJapan.com


あなたは日本のプロバスケットボールリーグ・Bリーグの歴史上初のギリシャ人ゼネラルマネージャーというだけでなく、初の外国人ゼネラルマネージャーでもあります。つまり、日本のバスケットボール界に二つの歴史を刻むことになります。重大な責任を感じられているのではと思います。

まず、私の話を聞くためにこうして来ていただいて本当にありがとうございます。お分かりでしょうが、ここ、福岡で私の母国語、ギリシャ語で話したり、誰かが話すギリシャ語を聞いたりするのはこれが初めてです。福岡に来てからひと月と数日経ったところですが、とてもうれしく思います。

プロバスケットボールチームのゼネラルマネージャーという立場で私を日本に招いていただいたことに、非常に大きな責任を感じています。欧州からアジアへ-ここ数年、バスケットボールがダイナミックな発展・成長を続けている日本へ私が来たことはおそらく奇妙に思われることでしょう。私にとって、この選択は大きな挑戦でした。

もちろん、日本でGMとして、ギリシャだけでなく欧州バスケットボール界を代表するということには大きな責任を感じています。欧州の地域から、そして欧州のバスケットボール界から得た私の経験を活かして、日本のバスケットボールとライジングゼファーフクオカの発展のために、全力を尽くすことをお約束します。

どのようにして日本でGMとして活動することを決断されたのでしょうか。日本はギリシャから遠く、日本のバスケットボールはギリシャやヨーロッパのそれのような熱狂をもって受け止められている訳ではありませんが。

私のもとにはギリシャ国外の他のチームからもオファーがありましたが、決断したのは、先程も申し上げた近年の日本のバスケットボール界の隆盛と、プレミアリーグであるB.LEAGUE PREMIERの創設に加え、チームがトップパートナー企業により建築される新アリーナを獲得するという展望が、より良い未来のための基盤と条件となると確信したからです。

私にとってこの挑戦は非常に大きなものでしたが、オファーを受け入れてから今までの日々にとても満足しています。

ライジングゼファーフクオカのゼネラルマネージャーとしてのあなたの主要な仕事は何でしょうか。

チームのゼネラルマネージャーとしての私の主な責務は、コーチ陣やチーム経営陣とともに、日本国内外から選りすぐりの最高のロスターを集め、高い競争力のあるチーム編成を行うことです。

これが私の主な責務ですが、それだけでなく、私はチームにこれまでのキャリアで得た有益な経験や情報、バスケットボール・メンタリティを持ち込みたいと考えています。そして、それは実現可能であると思っています。

日本とギリシャとでは、チームの運営方法には違いがあるのでしょうか。チーム運営に対する考え方、組織、試合へのアプローチといった側面についてお聞きします。

そうですね、欧州、アジア、日本のバスケットボールの間には大きな違いがあります。

競技としてのバスケットボールについて簡潔に言うならば、日本のバスケットボールはよりスピードがあり、ポゼッションもはるかに多く、5対5のプレーは少なく、選手の自由度が重視されています。これらは欧州ではあまり見られません。

また、チーム運営については、日本のチームは欧州のチームと比べて組織構造が大規模であると言えるでしょう。基本的に、バスケットボールチームの運営方法は日本でも欧州でも同じです。ただ、日本の考え方に基づいて、組織運営へのアプローチが異なっているだけです。

日本のマネジメントモデルは欧州のそれとは異なっており、そこに違いが生まれます。しかし、トレーニング、試合、事前準備に関しては、ほぼ同様であると言えますね。

ここで、あなたの日常生活についてお伺いします。日本での生活はいかがでしょうか。日本人の習慣や考え方についてのあなたの第一印象をお聞かせください。

私も日本での生活とはどんなものか、とても興味がありました。日本に来るのはこれで3回目ですが、今回はこれまでのような数日間の滞在ではなく、住むための来日です。

今までの日々で分かったのは、日本の人々はとても親切で、とても礼儀正しく、困っている人にはとても親切だということです。誰に対しても助力を惜しみません。つまり、仕事の手を止めてでも助けてくれたり、説明してくれたりするのです。もう少し英語が話せたならばなお良いのでしょうが、こうした日本の人々の振る舞いで、すべての問題は解決されるのです。

チームのファンへ向けて、あなたのメッセージをお願いします。

チームのファンの皆さんへ伝えたいメッセージは、チームを応援し続け、福岡の街を応援していただきたいということです。チームはファンの誇りであり、私は今後数年間のうちに、このチームがリーグの主役となると考えています。

明確なビジョンがあり、経営陣のコミットメントがあり、優秀な選手が所属している。トップパートナー企業は、新しいアリーナを建設することによって、チームがより良く運営され、明るい未来が開けるような条件を整えてくれる。こうしたことから、私はこのチームの成功を確信しています。

ありがとうございました。あなたの成功をお祈りいたします。

こうして私の話を聞くために福岡まで来ていただき、こちらこそありがとうございます。日本のバスケットボールが今後、期待どおりの発展を遂げ、私たちのチームがその主役となることを心から願っています。

[ コーチスGM・ギリシャ語インタビュー映像 ]

 

[ 10/11-12 福島ファイヤーボンズ戦フォトレポート ]

photos-video: Junko Nagata ©GreeceJapan.com

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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