12月11日(火)から20日(木)まで上演中の蜷川幸雄氏演出・エウリピデスのギリシャ悲劇「トロイアの女」と時を同じくして、この翻訳台本が山形治江氏の新訳により出版された。
この一冊に収められている翻訳台本の初演は、2010年文学座において上演された「トロイアの女」公演。
アトリエ創設60周年の記念すべき2010年に「カラムとセフィーの物語」「ダーウィンの城」の二作品ともに松本祐子演出・倉野章子主演で上演されてから2年、同翻訳台本は再び蜷川幸雄氏の演出により日本語・ヘブライ語・アラビア語で上演される。
訳者の山形治江氏はギリシャ悲劇研究家として数々の著書をもち、2003年には湯浅芳子翻訳賞を、また2011年にはギリシャ悲劇・喜劇の全作品を網羅した大著『ギリシャ劇大全』で国際演劇評論家協会(AICT)日本センターが主催するAICT演劇評論家協会賞を受賞している。
巻末には訳者による「観劇と上演のための基礎知識」「実践的な作品解説」が付され、舞台への興味を誘っている。