日本とギリシャの二国間関係の発展に寄与した功績を称え、カテリナ・サケラロプル・ギリシャ共和国大統領から河野太郎・デジタル大臣並びに日本ギリシャ友好議員連盟会長、川上修二・日本ギリシャ協会前事務局長、美術作家・野田正明氏の3名に勲章が授与され、2023年10月27日(金)東京のギリシャ大使公邸で叙勲伝達式が行われた。
伝達式ではサケラロプル大統領に代わってディミトリオス・カラミツォス‐ジラス駐日ギリシャ大使から勲章が授与された。
デジタル大臣として、また日本ギリシャ友好議員連盟会長として活躍する河野太郎氏は、現職だけでなく前職の外務大臣の立場からも二国間関係の発展に大きく寄与し、また両国の友好関係を強化したことが評価され、フェニックス勲章グランド・コマンダー章(Grand Commander of the Order of the Phoenix)が授与された。
カラミツォス‐ジラス大使は河野大臣の叙勲に際し「最も有名な日本の政治家の一人であることは皆様がよくご存知ですから、私が多くを付け加えることは出来ません。河野氏の功績とその存在をみれば、経験と現代性、伝統と斬新さ、そして覚悟と決意といったそれぞれかけ離れたもの同士が、河野氏の中で見事に融合させているのがわかります。河野氏とギリシャの間には誠実で実質的な関係があります。日本政府の一員として、かつてギリシャの首相や3人の異なる外務大臣、またデジタル・ガバナンス担当大臣と協力し合った経験があります。そして日本ギリシャ友好議員連盟会長としては、両国のアプローチに大きな支援を送り、我々とのオープンなコミュニケーションを保ち、今や我が国の誠実な友であり、両国の友好のサポーターです」とその功績を称えるとともに、「本日はご都合が合い、アバターを通さずご本人自らご出席頂き、誠に嬉しく思います」とユーモアを交えて河野大臣の叙勲を祝した。
河野大臣は叙勲後のスピーチで「ギリシャ政府からこのような勲章を頂戴し誠に光栄でございます」と挨拶。集まった招待客らの前で、自身が外務大臣を務めた際、約20年振りに日本・ギリシャの外相会談を実施したことに触れるとともに、日本ギリシャ友好議員連盟の会長の職務として、日本とギリシャの間の二国間関係を更に深めていきたいと結んだ。
日本ギリシャ協会前事務局長として12年間に渡って活躍した川上修二氏は、日本でのギリシャ文化活動の育成と発展、並びに両国間の文化交流活動における長年の功績が認められ、フェニックス勲章金十字章(Golden Cross of the Order of the Phoenix)が授与された。
カラミツォス‐ジラス大使は川上氏の叙勲に際し「川上氏は日本とギリシャの文化団体である日本ギリシャ協会の事務局長として、12年にわたり原動力となってきました。その間日本におけるギリシャ文化活動の発展の為、またギリシャ大使館とそしてその取り組みを支援する為、絶えず献身的に創造性を発揮し勤め上げました。ギリシャ色のあるイベントには必ずや川上氏の姿が見受けられました。また日本ギリシャ協会は、ギリシャ政府高官やビジネスリーダーの訪日を成功させるため、多大な援助を行っています。こうした総合的な貢献度が認められ、川上氏は林・前外務大臣からこの夏外務大臣賞を受賞しました」とその功績を称えるとともに、「川上氏の献身ぶりとギリシャ愛は、ご来場の皆様もよくご存じでしょう。今後ともギリシャと日本の友好の炎が消えない様、川上氏が末永く見守ってくださることを願っています」と結んだ。
美術作家の野田正明氏は、ギリシャ神話やギリシャのテーマに積極的に取り組む中で、日本とギリシャの文化交流の発展に貢献したことが評価され、名誉勲章金十字章(Golden Cross of the Order of Honour)が授与された。
カラミツォス‐ジラス大使は川上氏の叙勲に際し「野田氏は日本国内だけでなくアメリカやドイツ、ギリシャでも輝かしいキャリアを持つ著名なアーティストです。ギリシャ神話や文化を作品テーマの重要な部分に用いてきました。何度もギリシャに足を運び制作に励み、展覧会を実現させました。 野田氏の彫刻モニュメントはギリシャのレフカダ島やマラトン、デルフィ、アテネだけでなく、勿論、日本各地、そしてアメリカやその他の国々でも見ることができます。作品の中には小泉八雲(つまりラフカディオ・ハーン)やギリシャのオリーブ、日本の桜と言った、ギリシャと日本のテーマが共存する物からインスピレーションを得ているものもあります。更に最近では、ギリシャと日本の神話に関連したものに取り組んでいらっしゃいます」と野田氏の功績について語るとともに、「野田氏のお顔を拝見すれば、ギリシャとギリシャ文化を愛する友の表情が伺えます」と結んだ。
この日、会場となったギリシャ大使公邸には、叙勲者の関係者をはじめ、柄澤康喜・日本ギリシャ協会会長、東京2020オリンピックでギリシャのホストタウンを務め、陸上のギリシャ代表選手らの事前合宿が行われるなどギリシャを相手とする様々な活動を続けている埼玉県三郷市の木津雅晟市長、西林万寿夫 ・駐ギリシャ前日本国大使、清水康弘・駐ギリシャ前日本国大使らが駆け付け、3名の叙勲を祝した。
photos: Junko Nagata ©GreeceJapan.com