2023-24シーズンに B League 長崎ヴェルカでアソシエイトコーチを務めた後、2024シーズンから故郷ギリシャのリーグ2部・エリートリーグ(Elite League)AO ミコヌ(Myconos BC/ΑΟ Μυκόνου)でヘッドコーチを務める男、ヴァジェリス・ジアコス。長崎を、バスケットボールをこよなく愛する彼は、その辣腕を遺憾なく発揮し16チームが所属するエリートリーグで昨年10位のAO ミコヌを今シーズン1位に引き上げた。
先日3月8日(土)に行われたエスペロス BC ラミアス戦では驚異の126-54の大差で勝利し、リーグ首位を堅守し1部リーグへの入替戦を視野に入れ突き進む彼、ジアコスが、長崎を離れ早1年が経とうとしている今再び GreeceJapan.com に対し自身が率いるチームについて、そして長崎についてその熱い想いを語ってくれた。
インタビュー:Junko Nagata
ミコノス島での成功おめでとうございます。あなたはチームを今シーズンエリートリーグ1位に引き上げましたが、チームとその歩みについてお聞かせください。
エリートリーグのレギュラーシーズン終了まで残すところ5試合の今、チームはわずか3敗で首位をキープしており、我々はこの結果に満足しています。修正すべき点はまだ数多くありますが、リーグの公式統計に基づけば、我々はリーグで最高の攻撃力を持ち、アシスト、2Pシュート成功率、3Pシュート成功率、リバウンド、ファストブレイク、EFFで1位を記録しており、チームがこれまでに積み重ねてきた努力に対する結果がこうして数値として表れているのでしょう。
しかしながら我々は常に謙虚かつ現実的であり、また高い意識を持っており、それ故に、リーグ優勝はプレーオフの限られた試合の結果により決するものであることをチームの誰もが認識しており、そこではレギュラーシーズンの数字や統計はまったく役に立たず、すべてがコートの中で起こる結果で決するのだということを理解しています。
どんなゲームにも必ず終わりというものがあります。我々は独自の「武士道」と価値観を持ちつつ、日々のあらゆる瞬間を楽しみながら、当たり前に存在し日常生活の一部となっているプレッシャーをマネジメントしているのです。
あなたは今、ギリシャで最も有名で美しい島の一つであるミコノス島のチームで日々を送っておられますね。長崎での日常の後、暮らしておられるミコノス島についてお聞かせください。
ミコノス島はエーゲ海の中心にある太陽が降り注ぐ島であり、ギリシャの美しい海に囲まれた心躍る素晴らしいスポットです。世界中から集うセレブの熱狂的なパーティやビーチバー、魅惑的な海岸だけで語り尽くせるものではありません。この島の美しさは、忍耐と粘り強さで自分たちの場所を世界的に有名な観光地にするために尽力した人々の努力の結晶なのです。
長崎と日本が恋しく思われますか?最も恋しく思われるのは何でしょうか?
ギリシャの人々はみな日本を愛しています。私も寂しくてたまりません。長崎のみなさんの真摯な想い、チームに対する情熱と敬意、そして献身とその熱い想いを伝えるための強い力…それから日本人アスリートの規律、チームの核となる価値観としての計画とチームの「Kaizen(改善)」への信念にいたるまで、私にはすべてが愛しく思われてならないのです。
機会があれば、ぜひとも私の故郷・ギリシャの日本食レストランを訪れたいと思っています。佐世保、長崎、京都、広島…これまで私が訪れた土地へと至る稲妻のように、その美味をこの口に運んだならば、私は美しい人々が住まうあの素晴らしい国での日々を思い起こすことでしょう。