世界で初めて、全編古代ギリシャ語で脚本が書かれた長編映画が制作され、話題を呼んでいる。
今回制作された映画『Βάτραχοι(バトラヒ/ギリシャ語で「蛙」)』は、アリストパネスの「蛙(紀元前405年)」、エウリピデスの「アルケスティス(紀元前438年)」、プラトンの「饗宴(紀元前380年)」、そして作者不明の「蛙鼠合戦(紀元前3世紀)」といった古代ギリシャの作品を題材としたもの。
復元された紀元前405年頃の古代ギリシャ語の発音が用いられた本作は、アマチュアの制作集団・Iuvenalis Picturesにより、限られた予算で制作された自主制作作品。キャストとスタッフは、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学の卒業生で、古典言語を専門とし古代文化と映画制作の芸術に深い情熱を持っているという。
Iuvenalis Pictures は本作の制作により、中等教育における古代ギリシャ語教育に教材を提供することを主な目的としているといい、現代社会にとって古代の物語の永続的な力と価値を実証し、古代ギリシャの言語、文学、文化に対する社会の関心を刺激したいと考えているとしている。
ギリシャ国内での上映はアテネで9月18日(月)に古代ギリシャ語学校・Ελληνική αγωγή(エリニキ・アゴギ)の協力のもと行われる予定で、2023年10月からはYouTubeで無料公開される。
[ あらすじ ]
紀元前405年頃のアテネ。才能ある詩人がこの都市にいないことに気がついたディオニュソス神は、従者クサンティアスを伴い、誰もが知る悲劇作家エウリピデスを取り戻し、アテネの街を救うために冥界への旅に乗り出す。 一方その頃、ディオニュソスの弟ヘラクレスは、妻アルケスティスを亡くし悲しむアドメトス王の訪問を受けていた―。
映画トレイラー
キャスト:Laurens van der Wiel, Arthur Oosthout, Wim Nijs, Maxime Maleux, Victoria Dabo, Gorik Rutten, Wouter Mercelis, Reuben Pitts, Andy Peetermans, Alexandra Vereeck, Martijn Corstjens, Naomi Commissaris
サンドアート:Colette Dedyn
音楽:Nick Van Elsen
監督・脚本:Thibaut Lejeune
映画ポスター
映画公式ウェブサイト
frogsthefilm.com