イタリアの映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100年を記念し、ギリシャの誇る世界的ディーヴァ、マリア・カラス主演の『王女メディア』と『テオレマ 4Kスキャン版』の2作品が2022年3月4日(金)から日本全国で劇場公開される。
映画監督のみならず、作家、詩人、批評家などさまざまな顔を持ち、1975年に突如この世を去ったイタリアの異才ピエル・パオロ・パゾリーニが2022年3月5日に生誕100年を迎えることを祝し、劇場初公開以来ほとんど上映される機会のなかった2作品をデジタルリマスター素材で上映するもの。
1本目は、第29回ヴェネチア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した『テオレマ 4Kスキャン版』。ブルジョワ一家の前に現れる謎の青年を名優テレンス・スタンプが演じたもので、ヴェネチア映画祭での上映ボイコット騒動や、猥褻罪による裁判沙汰が話題を呼び大ヒットとなった問題作。今回は2020年に米クライテリオン社によってなされたオリジナルネガからの4Kスキャンによる修復版での公開となる。
2本目は、ギリシャが誇る永遠の歌姫、マリア・カラスが主演した『王女メディア』。それまで映画のオファーを一切断り続けていたカラスが出演を承諾した唯一の映画主演作であり、劇中ではその歌を封印し、女優として、報復に燃える神話世界の王女を熱演している。またトルコ・カッパドキアの岩窟群やピエロ・トージによる美しい衣装、そしてアルベルト・モラヴィアの妻であり作家のエルサ・モランテが監修を務めた、日本の地唄や筝曲が印象的に使われる音楽にも注目の作品。
上映は3月4日(金)から、ザジフィルムズの配給によりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか、日本全国の劇場で順次公開の予定。
[ 映画『テオレマ 4Kスキャン版』/『王女メディア』予告編 ]