日本の民間格付け会社の格付投資情報センター(R&I)は7月31日(月)のニュースリリースで、ギリシャの外貨発行体格付および自国通貨建発行体格付について、BB+(安定的)からBBB-(安定的)に格上げすると公表した。
R&Iは発行体や債務などへの信用格付け業務などを手掛ける民間の格付け会社。今回公表したニュースリリースでは、格付理由として「欧州の不安定な経済環境にもかかわらず、ギリシャ経済は堅調に推移している。基礎的財政収支は黒字化し、政府債務比率はコロナ前を下回る水準まで低下した。2023年6月の選挙で与党が大勝し、ミツォタキス首相は再度の単独政権樹立を果たした。同政権下で進められてきた経済の活性化や財政健全化に向けた取り組みの継続が確実となり、投資と改革を通じた成長力の底上げと、政府債務比率の継続的な低下が期待できる。金融セクターの安定性が一段と高まったことも踏まえ、外貨建および自国通貨建発行体格付をBBB-に引き上げた」としている。
R&Iの発行体格付は、最も優れているAAA(信用力は最も高く、多くの優れた要素がある)からD(発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付)の9段階に分類され、AA格からCCC格については、上位格に近いものにプラス(+)、下位格に近いものにマイナス(-)の表示をされることがあり、長期格付けはBBB(トリプルB)までが投資適格とされている。
・S&I ニュースリリース:ギリシャの発行体格付をBB+からBBB-[安定的]に変更