マイケル(ミハリス)・カコヤニス監督の映画『その男ゾルバ(Zorba the Greek)』で知られる現代ギリシャ文学界でもっとも重要であり、またその作品がもっとも多くの言語に翻訳されたギリシャの作家ニコス・カザンザキス(1883 – 1957)の作品「キリストは再び十字架に」を、ギリシャ映画『日曜はダメよ』の監督であるジュールズ・ダッシンが映画化した『宿命(1957年)』を、日本語字幕で上映するイベントが8月東京で開催される。
今回のイベントは、1988年(昭和63)ニコス・カザンザキスの作品と思想の普及と促進を目的として設立された国際カザンザキス友の会が主催し、東方キリスト教圏研究会、明星大学国際教育センターの共催で開催されるもの。これまで日本でDVD化がなされておらず、日本語字幕の存在も知られていなかった本作の日本語字幕を、明星大学国際教育センター特任講師の吉川弘晃氏が映画雑誌『キネマ旬報』のアーカイブより発見。1957年(昭和32)に日本で上映された当時の日本語字幕を、映画編集を駆使して視聴可能な状態としたという。
「境界線上の映画祭:ジュールズ・ダッシン監督(原作ニコス・カザンザキス)『宿命 Celui qui doit mourir』を鑑賞する」と題して開催される本イベントでは、ヨルゴス・スタシナキス・国際カザンザキス友の会会長がビデオメッセージで挨拶。映画の鑑賞前には、マケドニア大学バルカン・スラヴ・オリエント研究学部 東・南東ヨーロッパ歴史研究所客員研究員の佐藤良樹氏によるオンライン発表「ニコス・カザンザキスと『宿命』」が行われるほか、上映後には、本イベントの世話人であり、GreeceJapan.comで「しがしが留学記」を連載し日本・ギリシャ双方から好評を博した大阪大学人文学研究科/日本学術振興会 特別研究員(PD)の福田耕佑氏と吉川弘晃氏が、映画の歴史・文化的背景を踏まえて、人間や文化が境界を越える時に生じる問題を参加者で考える対談「いま、『宿命』から何が見えるのか?」が行われる予定。
「境界線上の映画祭:ジュールズ・ダッシン監督(原作ニコス・カザンザキス)『宿命 Celui qui doit mourir』を鑑賞する」
日時:2023年8月5日(土)14:00~18:00
会場:明星大学27号館内ミニシアター(東京都日野市程久保二丁目1番地1)
参加費無料
参加申込み:メール([email protected])にて申込み
主催:国際カザンザキス友の会
共催:東方キリスト教圏研究会、明星大学国際教育センター
後援:駐日ギリシャ大使館、日本ギリシャ協会、日本ギリシア語ギリシア文学会、GreeceJapan.com、一般社団法人 Welcome Japan
連絡先:[email protected](世話人:福田耕佑)
電話:090-3783-3780
プログラム
13:30 受付開始
14:00 挨拶
①ヨルゴス・スタシナキス 氏 国際カザンザキス友の会会長(ビデオ・メッセージ)
②スティリアノス・フルムディアディス 氏 駐日ギリシャ大使館臨時代理大使
③ 吉川弘晃 先生 明星大学国際教育センター 特任講師
14:30 佐藤良樹(マケドニア大学バルカン・スラヴ・オリエント研究学部東・南東ヨーロッパ歴史研究所客員研究員)-「ニコス・カザンザキスと『宿命』」(オンライン発表)
14:45 映画上映:「宿命」(Celui qui doit mourir)
16:45 休憩
17:00 対談:福田耕佑×吉川弘晃 -「いま、『宿命』から何が見えるのか?」
17:30 会場討論
18:00 閉会(懇親会無し)