
新進芸術家ギタリストの祭典として毎年日本で行われている東京国際ギターコンクール(The 65th Tokyo International Guitar Competition 2022)の本選が2022年12月3日(日)東京・代々木八幡の白寿ホールで行われ、ギリシャのフィリッポス・マノルディス(Filippos Manoloudis)が1位を獲得した。
マノルディスは2001年ギリシャ・カヴァラ生まれ。7歳からギターを学び始めたという彼は、国内外で数々の賞に輝く今最も期待の若きギタリストのひとりだ。
今回マノルディスは彼を含む海外10名・日本人3名のギタリストとともに、2日(土)行われた第2次予選を勝ち抜き本選に進出。本選ではAndrés Madariaga(チリ)、伊藤亘希(東京都)、Ilie Dragos(ルーマニア)、Emmanuel Sowicz(イギリス&チリ)、Eric Meier(カナダ)に続き最後に演奏、65回を数える歴史ある同コンクールでギリシャ人初となる1位に輝いた。
1位を獲得したマノルディスには、文部科学大臣賞をはじめとする数々の賞が贈られるほか、ヤマハ株式会社の協賛により、2023年リサイタルが日本国内で企画される予定。

マノルディスはGreeceJapan.comに対し、コンクールと日本の印象について次のように語っている。
「このコンクールと日本に対する私の印象は、この上なく素晴らしいものです。私の認識に誤りがなければ、このコンクールは今日まで65年の長い歴史を持つクラシックギターのコンクールとしては最も歴史の古いものです。過去のコンクールの受賞者の一覧を目にすれば、現在国際的なクラシックギターシーンで活躍するアーティストの多くの名が見てとれます。そのような輝かしいギター界の偉人たちの名に並ぶことができ、本当に光栄に思います。
私が想像していたとおり、大会は素晴らしい運営のもと開催され、我々参加者に対しプロフェッショナル意識と敬意をもって接していただき、必要なものはすべて惜しみなく提供いただきました。会場となった白寿ホールは、私が今まで演奏した中でも最高のホールであったと思います。理想的な音響バランスをもち、ギターの音色が最後部の座席まではっきりと聴こえていました。コンクールの始めから終わりまで、すべての要因が最高の経験となりました。
コンクールが終わった後、私は京都と東京で1週間を過ごすことができ、日本での旅を満喫しました。日本を訪れたのはこれが初めてのことでしたが、私はその美しさに魅了されたことを告白しなければなりません。特に京都では、建築物、自然、そしてそのふたつの調和に魅了されました。また、伏見稲荷や金閣寺、龍安寺といった主な名所と、嵐山の竹林に訪れることが叶いました。そして風景や景色だけでなく、食べ物を通して日本の文化を知る機会を得ることができました。味わったものはすべてが素晴らしく、中でも新鮮な魚介を味わうため朝7時に訪れた東京の港近くの寿司店では最高の寿司を堪能しました。
大都会の東京には、京都とは違った魅力がありました。交通機関とその正確さ、またその清潔さに感銘を受けました。人々の間に存在する相互尊重は、このような都市での暮らしや毎日をより容易にしていると思います。
残念ながら、スケジュールの都合で望んでいたほどには東京を巡ることは叶いませんでした。でも、今から、今年11月に日本に再訪することが待ちきれない思いです。コンクールで1位を獲得したご褒美として、ギターリサイタルに招へいしていただけるのですから。その時には、東京をもっと楽しみたいと思っています!」
フィリッポス・マノルディス
2001年ギリシャ・カヴァラ生まれ。7歳でカヴァラ市立音楽院でアレクサンドロス・パリシディス氏のもとクラシックギターのレッスンを開始、2018年6月フォティス・クツォソドロス氏のクラスを卒業、最優秀の成績でディプロマを取得した。2019年10月よりドイツ・ダルムシュタット音楽院にてティルマン・ホップストック教授に師事。ギリシャをはじめ世界各地でコンサートを開催、国際的な賞の数々に輝いている。2023年には日本をはじめ世界各地で公演を行う予定。