昨年4月27日2020年東京オリンピック・パラリンピックのギリシャを相手国とするホストタウンに登録されて以降、ギリシャ大使夫妻を招きオリーブの植樹式を行うなど活発な交流を続けている広島県江田島市で、2022年3月4日(金)能美中学校1年生の生徒らが同校のテニスコート跡地にオリーブを植樹する交流会が行われた
ギリシャ共和国とのホストタウン交流事業として4日(金)行われた交流会では、香川県の農園から取り寄せたギリシャの「コロネイキ」種の苗木50本を、能美中1年生32人、明岳周作(あきおか しゅうさく)・江田島市長、小野藤訓(おのふじ さとし)・江田島市教育委員会教育長らが、オリーブ栽培者の方々に植え方を教わりながら植樹。完成したオリーブ園は参加した生徒によりギリシャ語の「イリニ(ειρήνη/ギリシャ語で「平和」)」にちなんで「イリニオリーブ園」と名付けられ、近隣の小・中学校児童生徒が栽培や収穫を通して、世代間交流やギリシャ文化、平和への理解を深める場として活用される予定で、誰でも自由に入ることができるという。

今回の交流会で生徒代表は『オリーブ園の名前を、私たちは「イリニ」と、決めました。オリーブの花言葉自体が「平和(イリニ)」だということもありますが、「イリニ」に込めた一番の思いが、私たちにはあります。
信じられないことですが、今、この瞬間にも世界には戦争に直面して苦しんでいる人が、実際にいます。その苦しみは、想像すらできません。
この「イリニオリーブ園」で、遠く離れている日本人と、ギリシャの方の思いがつながることで、「平和」を思い合う人たちが、一人でも多くなり、争いがなくなればと思います。
そして、世界中の人が安心して生きることができる平和な世界を実現させるための、ささやかな一歩として、この「イリニオリーブ園」をずっと大事にしていきたいと思います』と語っている。

広島湾に浮ぶ江田島、能美島とその周辺の島々で構成される江田島市は、日本でも有数のカキ産地として、造船のまちとして有名であり、また2016年(平成28年)からは温暖で降水量の少ない瀬戸内海気候を活かしたオリーブの栽培を推進。ギリシャを相手国とするホストタウンとしては愛知県稲沢市、埼玉県三郷市、兵庫県尼崎市に次ぐ4つ目の市となる。
GreeceJapan.com過去記事「Tokyo2020:広島県江田島市、ギリシャのホストタウンに登録」
Photos © 江田島市