
東京・初台の東京オペラシティ・コンサートホールで24日(木)ギリシャの作曲家イアニス・クセナキス生誕100周年を記念し、日本初演となるクセナキスのピアノ協奏曲第3番『ケクロプス』ほか全3曲が演奏される東京フィルハーモニー交響楽団の2月定期演奏会に、今年1月に着任したギリシャのディミトリオス・カラミツォス‐ジラス駐日大使が訪れた。
今回の公演では指揮を井上道義氏が、ピアノソロをクセナキス自身の推挙により独奏者として『クセナキス管弦楽全集』プロジェクトに参加した大井浩明氏が担当。二人が1996年東京と京都で3回にわたり演奏したクセナキスのピアノ協奏曲第1番『シナファイ』は、クセナキスの楽譜を出版している出版社のサラベール社を経由してクセナキスの手元に届き、その素晴らしい演奏が認められ、サラベール社が提供する参考音源として採用されたという輝かしい実績を残している。
24日(木)の第1回公演では1曲目にエルガーの序曲『南国にて』が、2曲目にクセナキスの『ケクロプス』が、そして3曲目にショスタコーヴィチの交響曲第1番が演奏。『ケクロプス』では、「お客様をどうやって楽しませるのか」に心を砕くというマエストロ・井上道義氏らしいエンターテインメント性にあふれる指揮に、大井浩明氏ならではの精緻かつ情熱的なピアノが応え、時間を感じさせない素晴らしいプログラムが繰り広げられた。
公演に訪れたカラミツォス‐ジラス駐日ギリシャ大使とゲオルギオス・パルテニウ一等参事官はともにクセナキスの難曲を演じきったマエストロと大井氏、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏を絶賛した。
クセナキス生誕100周年を記念した東京フィルハーモニー交響楽団の2月公演は、25日(金)サントリーホールで、27日(日)Bunkamuraオーチャードホールで開催される予定。