
美しい海と自然で知られるギリシャ・ザキントス島では、今2人の日本人サッカー選手がプレーしている。一人目は、2020年11月にギリシャリーグ、ガンマ・エスニキ(*2021年シーズンからはBエスニキ‐フットボールリーグに昇格)のAPSザキントスに加入した小長谷勇太選手で、二人目が2022年2月にギリシャリーグ、ガンマ・エスニキのAOエスニコス・スクリカドゥに加入した中山尚英(なかやま なおひで)選手だ。
中山選手は2月2日(水)行われたアナゲニシ・アルタス戦のわずか3時間前に正式なクラブとの契約およびギリシャサッカー協会での登録が完了、その直後に行われた試合に急遽出場したにも関わらず、見事1得点を上げ、2‐0でチームの勝利に貢献した。
昨年ラトビアで海外への挑戦をスタートさせて以降、海外2つ目となるギリシャのクラブを新たな舞台と定め、「いつなんどきでも高い機動力を発揮することが大事」と語るアグレッシブな中山選手にGreeceJapan.comがお話を伺った。
インタビュー:永田純子(Junko Nagata)

ギリシャ・ザキントス島のチーム、AOエスニコス・スクリカドゥに加入された経緯をお教えください。
昨年、ラトビアでプレーしておりましたが、新天地を求めてギリシャの2部でプレーされている大学のOB・小長谷勇太選手に繋いでもらいました。自身の昨シーズンのプレービデオから前向きな返事を頂いて、数日練習参加を経て契約することが決まりました。外国人ということで手続きに時間がかかってしまいましたが、デビューする事が出来てとても嬉しいです。
いつギリシャ入りされましたか。また、これまでギリシャに行かれたことはありますか。
昨年末にギリシャに入国しました。ギリシャに来たのは初めてです。パルテノン神殿をはじめとする古代ギリシャにまつわる遺跡や、サントリーニ島を含め、とても印象的な島が多数あることは聞いておりました。急遽入国が決まり、ザキントス島に直行した為、アテネや遺跡等はまだ訪れていませんが、ザキントス島の綺麗な街並みやビーチはとても気に入っています。

AOエスニコス・スクリカドゥのチームと選手について、その印象を教えてください。
年齢の若い選手が多数いて、最初はフレッシュな印象を持っていましたが、時間を重ねるにつれて、ベテランの選手が各ポジションで、声やプレーで鼓舞し、バランスの取れた良いチームだと感じています。加えて、選手・スタッフ・サポーターの方が本当に温かく迎えてくれた事で、伸び伸びとプレー出来ています。
ギリシャのチームで叶えたい夢は何でしょうか。
選手キャリアとしての目標は、ヨーロッパのトップリーグでプレーし、EL(ヨーロッパリーグ)更にはUCL(チャンピオンズリーグ)でプレーする事です。ギリシャのリーグ構成やサッカースタイルは、それを叶える上で必要な試練が過不足なく網羅されていると感じています。簡単ではありませんが、このギリシャの地であらゆる試練を乗り越えて個人としてもしくはチームとしてステップアップする事が大切だと思うので、その過程を確実に積み上げていきたいです。

2日の試合では、開始3時間前にクラブとの契約、ギリシャサッカー協会への登録が完了し、予定されていなかったアナゲニシ・アルタス戦に出場しギリシャリーグデビューを飾り1得点、チームの勝利に貢献され、この上ないスタートを切られましたが、急な展開にも関わらず、素晴らしい結果を出しておられますね。
1月4・5日には既に契約に関する手続きが進められていたのですが、外国人選手ということもあり、現地の外国人登録など様々な手続きにかなり時間を要してしまいました。2日も出場の予定はなかったのですが、急遽協会からの登録移動確認が取れたことを試合会場で聞かされそのまま契約、たまたま持ってきていた自身のスパイクを履いてスタートから出場しました。
常に最適な心身の状態を作ること、これが昨年ラトビアで海外挑戦を始めてから学んだことの1つで、このギリシャでの挑戦でも意識していることの1つです。日常においても、時間やタイミングに関して自分が主導権を握ることができる機会はほとんどなく、思ってもなかった時にそういう機会が訪れてしまうので、「いつなんどきでも高い機動力を発揮する」ことが大事だと感じました。極論、朝起きてすぐ全力疾走できるように、常に最適な心身の状態を作ることを意識しています。
ありがとうございました。ギリシャでの更なるご活躍をお祈りしております。
