ギリシャ神話の女神・ミューズに捧げる公園

GREEK

埼玉県秩父市と小鹿野町にまたがる丘陵地帯に、ギリシャ神話の全知全能の神ゼウスと記憶の女神ムネモシュネの娘である9人の女神「ミューズ(Muse)」-叙事詩を司るカリオペ、歴史を司るクレイオ、笛を司るエウテルペ、舞楽を司るテルプシコレ、歌謡を司るエラト、悲劇を司るメルポメネ、喜劇を司るタレイア、賛歌を司るポリュヒュムニア、天文を司るウラニア-にあやかり名付けられた公園が、訪れる市民らを迎えている。

秩父ミューズパークと名付けられたこの公園は、1991年(平成3)西武鉄道と埼玉県が共同で開発し開園。その後、2006年(平成18)末には西武グループが土地及び施設を無償で秩父市に譲渡、現在は埼玉県・秩父市が管理する公園として整備・運営されている。秩父市と小鹿野町にまたがる長尾根丘陵のおよそ375ヘクタールの公園の敷地には、スポーツの森ゾーン、音楽の森ゾーン、文化の森ゾーンに分け、様々な施設が整備されている。

基本テーマ「感性と共感」をもとに、「いつでもあえる心のふるさと」をめざしてスポーツと音楽の公園、参加と創造の公園、イベントと乗り物の公園として、民間活力を導入しながら整備されたこの公園は、ギリシャ神話の詩歌、文学、音楽、舞踊、哲学、天文など人間の知的活動(学問と芸術)を司る9人の女神の総称「ミューズ(Muse)」にあやかり名付けられている。敷地内にはギリシャ神殿をイメージした音楽堂、円形劇場をイメージした野外ステージ、ギリシャ神殿をイメージしたステージと円柱からなるミューズの泉、ギリシャ神殿風のデザインの柱をもつ吹き抜けの休憩施設のパルテノン、ギリシャ神殿をイメージしたステンドハウス・軽食堂のピエリアといった様々な施設が整備され、年間を通じて多くの利用者が訪問している。

秩父ミューズパークは、東京・池袋駅から西武秩父駅まで特急利用、西武秩父駅からバス利用でおよそ2時間あまり。

冬季の凍結等防止のため、休止中の「ミューズの泉」噴水

パルテノンと名付けられた避難休憩施設。災害時には避難生活が送れるよう配慮されている

ギリシャ神殿をイメージし建てられたミューズの故郷・ピエリアの名を冠した軽食堂ピエリアとステンドハウス

パークから望む武甲山の山容と秩父市内

Photos: Junko Nagata ©GreeceJapan.com

 

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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