「すべては患者のために」～東京のある薬局に見るギリシャの理念

東京のある一角に、ギリシャ語で「すべては患者のために」とその建物前面に刻まれた薬局がある。

聖路加国際病院の傍らに位置するこの加健調剤薬局本店は、平成7年（1995年）開設された調剤薬局。建物一階右側に埋め込まれたプレートには、ギリシャ語の意味と、そこに込められた加健調剤薬局の理念が次のように記されている。

ΟΛΑ ΓΙΑ ΤΟΥΣ ΑΣΘΕΝΕΙΣ
オーラ・イア・トゥス・アスセニス
［All we care is for patients. ］

入口正面に掘られている上記のギリシャ文字は、「すべては患者のために」と訳され、加健調剤薬局の医療に対する理念を表現しております。患者への貢献を第一義とすることが、薬局業務を含む全ての医療従事者の絶対の責任と考えます。常に患者の健康回復とその維持を心に念じながら、加健調剤薬局のわたくし達は業務致しております。

加健調剤薬局　加藤健次郎

加健調剤薬局・加藤健次郎氏

GreeceJapan.comに対し、加藤健次郎氏はギリシャ語で碑文をつづったその理由について「古代ギリシャで『医学の祖』と称され、医聖として世界的に尊敬されているヒポクラテスにあやかり、ギリシャ語での碑文の表記にしました。近年、医学の発展とともに医療は高度に専門化、複雑化され、同時に患者主体の医療が提唱されるようになり、患者は自分の診断・治療・予後について完全で新しい情報を得る権利が生じています。この事を医療側から凝縮した言葉で表現した一言が、『すべては患者のために』という言葉です」と語っている。

加健調剤薬局本店は東京都中央区明石町11－6、東京メトロ日比谷線・築地駅から徒歩約3分。