ギリシャを代表する作家カザンザキスの『饗宴』、福田耕佑の日本語訳で出版

『石の庭』、『その男ゾルバ』、『キリストは再び十字架につけられる』、『最後の誘惑』など数多くの名作を著したギリシャの作家ニコス・カザンザキス(1883-1957)。数ある彼の著作のうち、2018年に日本語訳が出版された『禁欲(Ασκητική)』の訳者・福田耕佑が再びカザンザキスに挑む!

GreeceJapan.com /[出版記念:著者に聞く]ギリシャの作家カザンザキス『禁欲』訳者・福田耕佑氏

今回福田氏が訳出したのはカザンザキス初期の作品『饗宴(Συμπόσιον)』。現在ギリシャ北部の大都市テサロニキで研究生活をおくる福田氏はGreeceJapan.comに対し次のとおり『饗宴』発行にあたってメッセージを送ってくれた。


” 今回も日本の読者の皆様にカザンザキスの作品をお届けする機会をいただけたことを光栄に思います。確かに今回私が翻訳した『饗宴』は比較的初期の作品で、作品としての完成度は彼の後年の傑作に比べると見劣りする部分もあるかもしれません。ですがこの『饗宴』には宗教や神、そして女性や「ギリシアとは何なのか」という彼が自分の人生で表現したかった重要な諸テーマが登場人物たちの対話と独白を通して展開されています。正教や近現代ギリシア史といった馴染みのないテーマも登場しますが、彼の哲学的著作『禁欲』や他の彼の作品と対照しながらお読みいただければと思まいます。また拙訳に加えてカザンザキス文学翻訳家の其原哲也氏の解説と作家の高橋昌久氏に「エピロゴス(あとがき)」を書いていただきました。これも私たちの「饗宴」です。ぜひお楽しみください。”


『饗宴』のあとがきを著した二人のうち其原哲也氏は2018年福田氏と時を同じくしてカザンザキスの『蛇と百合(Όφις και Κρίνο)』日本語訳書を発行。福田氏とともに、日本におけるカザンザキス文学翻訳家として活動を続けている。

今作品で、カザンザキス作品の情熱を映したかのような印象的なカバーデザインは川端美幸氏が担当している。

 

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