『世界青年の船(SWY)』ギリシャ人マリータ・ドルカがデザインの新ロゴを公表

GREEK

日本の内閣府が実施する国際青年交流事業のひとつである『世界青年の船(Ship for World Youth Program)』の新しいロゴに、2006年第18回『世界青年の船(SWY)』プログラムに参加した経験をもつギリシャ・レスボス島出身で今も愛する故郷に住み活動を続けるギリシャ人女性マリータ・ドルカのデザインが国際コンペティションを勝ち抜き採用された。


『世界青年の船(SWY)』事業は日本の内閣府が実施する国際青年交流事業の一つ。昭和42年(1967)に現在の船事業の基となった「青年の船」事業として開始されて以降、現在は『世界青年の船(SWY)』事業として世界各国から集まった青年代表たちと日本の青年代表が世界的な視野に立ち、互いから学び合い、共通課題についてディスカッションをする約1か月の陸上と船上におけるプログラムで、様々な研修や交流を通じて、異文化対応力を高め、リーダーシップを身につけ、社会に貢献できる青年を育成することを目的としている。

ギリシャが『世界青年の船(SWY)』に初参加してから7回目の昨年2019年に『明治150年記念・第31回世界青年の船』として、また日本ギリシャ修好120周年記念事業の一環として実施された同プログラムには、ギリシャから12名が参加した。


『世界青年の船(SWY)』の新ロゴをデザインしたマリータ・ドルカはギリシャ・レスボス島生まれ。ロンドンの大学で学んだ後、続いてロンドンのマルチメディア・テクノロジー・アンド・デザインとデザイン・アンド・ブランディング・ストラテジーで修士号を獲得、続いてエーゲ海大学で文化情報学・コミュニケーション学の修士号を獲得。現在はレスボス島最大の都市ミティリニに自らがオーナーを務める書店を持ち、また同時にフリーランスのグラフィックデザイナーとしても活躍している。

今回採用されたロゴは日本の折り紙からインスピレーションを得たと語るマリータはGreeceJapan.comのインタビューに対し『世界青年の船(SWY)』への参加について、また自らがデザインした新たなSWYのロゴについて次のように語ってくれた。

マリータ・ドルカ:SWY18からのフォトショット

『『世界青年の船(SWY)』へ私が参加したきっかけは、敬愛する教授がプログラムへの参加を勧めてくれたことでした。こんなにも遠くへ、そしてこれほどまで長い間旅することになるとは一度も考えたことはありませんでしたが、あえてその道を選びました。果たして、異なる考え方や文化、様々なパーソナリティに満ちた環境の中で、私は自分自身を見つめなおし、実の兄弟姉妹のような友情を育むことが出来たのです。世界を知り、学び、敬い、満たされたその時、私は自信を持ってこれこそが人生経験であったのだと確信するに至りました。

この旅へ出発するまで、私にとって日本はある遠い国の一つ、見知らぬ夢の国であり、私が知っていたことはごくわずかでした。私が出会った中で最も慎み深い人々、その文化、伝統、建築様式、食文化、芸術、寺社、舞踏、着物、折り紙、そして日本酒-こうした宝物をそこかしこに隠した国。これほどまでに素晴らしく、世界中を探してもどこにも見つからない国、日本が私はとても好きになりました。

私は幼い頃から紙を折っては船を作って遊んでいましたが、これが日本の「折り紙」と呼ばれる芸術のひとつであることは長い間知りませんでした。今回デザインした新たな『世界青年の船(SWY)』ロゴのアイデアはまさにこの折り紙から、そして極めてシンプルでありながら日本を代表するイメージである「日出ずる国」から想を得たものです。折り紙そのものについて、また折り紙で船を折るやり方についてリサーチを重ねた結果、あるインスピレーションを得るに至りました。「船が光輝く太陽の前を通り過ぎる」というアイデアに行き着いたのです。そしてその太陽とは、日本の国旗のような赤い円以外には考えられませんでした。こうして、アイデアのかけらの一つ一つが結びつき、一つのロゴとして昇華するに至ったのです。その過程で、ロゴの色彩もエネルギー・力・熱狂を表す赤、知性・相互理解・信頼を表す青、誠実さを表す灰色以外の色は考えられませんでした。』

なお、マリータのロゴ選出に際して、「世界青年の船」ギリシャ支部同窓会のコンスタンディノス・ツィガラス会長が我々に向けて次のようにメッセージを寄せてくれた。

『マリータと我々との繋がりは2006年に日本への旅を共にする機会を得たことに始まります。常に注意深くエネルギッシュなマリータは、まさに今年、彼女にしか達成出来ない特別な何かを成すにふさわしい人間であると言えるでしょう。「世界青年の船」ギリシャ支部同窓会のメンバーとしてここ数年に渡って確かな存在感を示して来た彼女に対し、我々は彼女が求める目的への成功を祈るとともに、大海原を渡って旅する度に、我々の心の中にはつねに彼女がデザインした新たなSWYのロゴが共に在り続けることでしょう。』

『世界青年の船(SWY)』ロゴに関する詳細はこちらから(PDFファイル)

 

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永田 純子

永田 純子

GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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