ギリシャ映画を観るために集まった観客で劇場が満席になったのを見たのは、日本で有名な映画監督テオ・アンゲロプロス作品以来のことです。
24日第1回の「J.A.C.E.」の上映は大きな成功を収めたと言っていいでしょう。
この衝撃的な映画の監督、メネラオス・カラマギョーリスとプロデューサーのフェニア・コソビッツアによるQ&Aを聞き逃すまいと、上映後の劇場は詰めかけた観客と観客の熱気でいっぱいでした。
カラマギョーリス監督はまず日本語で「ありがとう」と挨拶し、この作品を熱狂的に迎えた映画を愛する日本の観客に対し感謝の意を表しました。
監督は観客からの質問に答えながら、自ら作品について解説し、今作のシナリオは実話を下敷きにしたものであることを明かしました。
また監督は映画のテーマに触れ、『ホメロスのオデュッセアスは故郷に戻るための道を探しながら冒険のなかに生きていますが、J.A.C.E.の主人公は自分の国を捨て、本当の故郷と家族を得ようと探し続けているのです。』と語りました。
Q&Aでは、ある少女はJ.A.C.E.が生まれて初めて見たギリシャ映画であると感想を述べましたが、それは、今回J.A.C.E.を鑑賞した多くの観客にとってもおそらく同じであったことでしょう。
またある男性は、J.A.C.E.を観るために500キロ以上離れた地方都市からやって来たことを述べ会場を驚かせました。
上演後、メネラオス・カラマギョーリス監督は満面の笑みを浮かべながら、最後の観客が劇場を後にするまで観客との写真撮影やサインに快く応じていました
J.A.C.E.は今回、新世代のギリシャ映画の勢いと近年のギリシャ映画に対する国際的な評価の高まりをあらためて明らかにしたということが言えるのではないでしょうか。
第2回目の上映は27日(木)、どうぞお見逃しなく!