ギリシャでチョコレートの製造販売を行うLacta社が、Youtubeにチョコレートが結ぶ愛の物語「イ・ゲフシ・ティス・アガピス(The Taste of Love)」を公開、現時点で160万回以上に及ぶ再生回数を記録し話題になっている。
Lactaのチョコレートがストーリーの鍵を握るこの映像作品は、一つの会社が映画・音楽界でトップを走るプロフェッショナルたちを起用して宣伝として制作した映像作品としては異例の74分にも及ぶ大作で、2038年の近未来を舞台としながら、どの時代にも普遍的な愛の価値について描いている。
本作の監督は核戦争後、書籍を所有することが重罪となった近未来の世界を描く短編映画「Amendmet 10/60(2013)」でロサンゼルス国際短編映画祭のワールドプレミアに選出された気鋭の若手アキス・ポリゾス。脚本は脚本家・作詞家・作家として活躍するミルト・コンドヴァが担当している。
[あらすじ]
2038年のある近未来の都市。社長として脇目も振らず働くアリスは今や48歳。浮いた話の一つもなく、仕事を終えれば美しく整えられた家にひとり戻るだけの日々を送る彼は、ある日雑事を任せる女性型アンドロイド・ELLiを買うことに。
アリスが孤独で無味乾燥な毎日に現れる変化に戸惑う中、ELLiは突然のソフトのアップデートでより人間らしい感情を持つように。愛を語る書籍や映画から「愛とは何か」を知ったELLiはある日アリスに、なぜその歳で独り暮らすのか、誰かを愛していないのかと尋ねるが、アリスは「愛は人間に起こり得るうちで最も醜悪なもの」と吐き捨てる。
そんなある日、ELLiはアリスにチョコレートを差し出し、アンドロイドでは知り得ないその味を尋ねる。それは、アリスにとって20年前のある後悔に満ちた忘れられない愛の苦い思い出の味だった…。