デルフィ考古学博物館:歴史と文化の中心としての110年

 

既にICOM(国際博物館会議)のギリシャ部会が決定したとおり、5月18日の「国際博物館の日」を前に、今年2013年に創立110周年を迎えるギリシャのデルフィ考古学博物館が、2013年度の顕彰博物館として記念事業の拠点に選出されることが発表された。

今年2013年の「国際博物館の日」のテーマは『Museums (Memory + Creativity) = Social Change-博物館(記憶と創造)は未来をつくる-』。デルフィ考古学博物館はこのテーマのもと、歴史的遺産の保全と知的活動の促進の中心という博物館本来の目的を広く発信する役割を担うことになる。

デルフィの初代考古学博物館はギリシャ人銀行家にして篤志家アンドレアス・シングロスの寄付を受け、フランス人建築家Albert Tournaireの設計により1903年に建てられたもので、当初フランス人考古学者らの発掘により発見された神殿の発掘物を展示するためのわずか二つの翼部をもつ簡素な建物として建築された。

建物は1935-1936年の間に一部増築されたのち、1958年にはギリシャ人建築家パトロクロス・カランディノスの設計により本格的な修復・拡張工事が開始され、その後幾度にも及ぶ修復ののち、ギリシャ人建築家アレクサンドロス・トバジスの指揮による壮麗な現在の博物館が建てられ、今日に至っている。

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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