4月28日(金)から5月7日(日)まで静岡市で開催された「ふじのくに⇄せかい演劇祭2017」で上演されたSPAC(静岡県舞台芸術センター)によるソポクレスのギリシャ悲劇「アンティゴネ~時を超える送り火」。GreeceJapan.comは公演2日目の5日(金)に現地を訪問。現地からのレポートをお伝えする。
今回の舞台は駿府城公園内に設けられた特設会場。絶好の好天の下歴史ある城の中で様々なイベントが行われている5日朝には既にチケットは完売で、観客たちの期待の高さが伺われた。
舞台は出演する俳優たちによるあらすじの紹介で幕を開けた。静かに水がたたえられ、荒涼とした岩山が広がる舞台を背景にあえてコミカルに紹介されたあらすじは、ギリシャ悲劇に親しむ機会が少ない観客たちの心を解きほぐしたことだろう。
白一色に統一された印象的な衣装、生演奏の力強い音楽、暮れゆく陽の光に代わって降りる夜の闇、照らされる灯によって白い背景に映る俳優たちの影-。登場人物たちは演じることに専念し、台詞は水に置かれた椅子に掛ける俳優が語るという演出も印象的な「アンティゴネ」は、躍動感あふれる俳優たちの演技もあってか、1時間を超える上演時間を感じさせないスピード感であっという間に終演を迎えた。
終演後、構成・演出を担当するSPACの芸術総監督・宮城聰氏はGreeceJapan.comのカメラに満面の笑みで対応。2004年ギリシャ・デルフィ古代競技場で行われた「アンティゴネ」から12年が過ぎようとしている今、改めて作品の生まれたギリシャでの再演が期待されるところだ。
(公演写真提供:SPAC)