ソポクレス(ソフォクレス)の「オイディプス王」やエウリピデスの「トロイアの女たち」といったギリシャ悲劇をはじめ、古典から現代まで世界各国の様々な作品を手掛けてきた演出家・蜷川幸雄氏が2016年5月12日(木)80歳でその生涯を閉じた。
蜷川氏は1935年10月15日埼玉県川口市生まれ。1969年「真情あふるる軽薄さ」で演出家デビュー以降、国内・海外の様々な賞を受賞し、その功績から2010年には文化勲章を受章している。
蜷川氏の演出したエウリピデスの「王女メディア」は1983年海を越えてエウリピデスの故郷ギリシャ・アテネのリカビトス劇場で、また1984年にはアテネのヘロデス・アティコス野外音楽堂で上演され、その優れた演出と平幹二朗の鬼気迫る怪演は今もなおギリシャの演劇人から絶賛され続けている。
2004年にはソポクレス(ソフォクレス)の「オイディプス王」をたずさえ20年ぶりにギリシャ・アテネのヘロデス・アティコス音楽堂に凱旋、好評を博した。
通夜は5月15日(日)に、告別式は5月16日(月)に、いずれも東京の青山葬儀所で執り行われる予定。
[写真]2004年7月2日アテネのヘロデス・アティコス野外音楽堂で行われた「オイディプス王」の上演の模様。